2008 Fiscal Year Annual Research Report
バナナ型液晶のSmA類似相における極性構造の解析と新規液晶ディスプレイモード開発
Project/Area Number |
07J09939
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
新保 仁男 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 液晶ディスプレイ / 極性構造 / 配向処理 / 屈曲型液晶 |
Research Abstract |
○新たなSmA類似相を発現するバナナ型液晶のディスプレイ性能評価 SmA相の発現温度域の拡大に対する置換基の寄与について明らかにするために、従来用いていた分子の置換基を変化させた試料について液晶相の評価とSmA相の発現温度域に関して評価を行った。この結果、アセトフェノン基を中央に有する屈曲型分子が広い温度域でSmA相を発現することが分かった。また、エチル基を有する分子では、SmA相を発現する温度域が狭まることも確認された。 末端にシロキサン基を有する屈曲型液晶分子のSmA類似相について極性構造評価を行った。光第二次高調波発生により電場無印加時でも極性構造が存在し、強誘電的な応答を示すことがわかった。液晶相が二軸性を有するためにディスプレイモードへの応用はさらなる工夫が必要である。 ○新たな構造を有するセルでのディスプレイ性能評価 垂直配向処理剤及びプロセスの最適化を目的として、垂直配向剤としてシランカップリング剤、ポリイミド、全フッ素化ポリマーを用い評価を行った。安定性や電場印加時の層構造保持状態を評価したところ、ポリイミドが最適であると判断された。 スメクチックの層構造を乱さない電極配置を持つ新たなセルの設計とその性能評価を行った。セル厚、電極間距離、電極幅を変化させ基板面内方向に電場を印加可能なセルを作成したところ、水平配向の維持という観点においては、セル厚は10μmが適していることがわかった。複屈折の観点からは30μmが必要であり、今後さらなる改善が必要である。電極構造に関しては、その幅や間隔が層構造の安定に寄与し、相転移温度も変化させることが分かった。
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Research Products
(1 results)