2008 Fiscal Year Annual Research Report
小脳の生後発達における、巨大分泌蛋白質リーリンの機能
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07J10094
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
日比 輝正 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 小脳 / リーリン / 神経細胞移動 / ApoER2 / AP融合蛋白質 / プルキンエ細胞 / 顆粒細胞 / Rab11 |
Research Abstract |
前年度までで、リーリンとアルカリフォスファターゼとの融合蛋白質により、生後小脳では内顆粒細胞がリーリンを受容し、プルキンエ細胞は受容しないことが分かった。これまでプルキンエ細胞がリーリン受容細胞だと予想されていたため、プルキンエ細胞のリーリン受容能を時間を追って解析すると、誕生直後にはリーリン受容能があるが、細胞表面への移動と共に受容能が低下し、出生直前に一列に整列する時点では受容能が無いことが分かった。一方リーリン欠損マウスでは、生後でもプルキンエ細胞はリーリン受容能を有していた。つまり、プルキンエ細胞のリーリン受容能の消失は、リーリンにより受容体がダウンレギュレーションされることが原因だと考えられた。他方、胎生期の顆粒細胞はリーリン受容能を持たないことも明らかとなり、生後小脳の内顆粒細胞が有するリーリン受容能は、細胞移動よりもむしろ神経ネットワーク形成に関与する可能性が示唆された(投稿中)。また、前年度に、小脳にはリガンド結合ドメインの異なる複数のApoER2アイソフォームがあり、リーリンへの結合性に違いがあることを明らかにした。そこで、その1つであるLA12378-ApoER2のみを認識する抗体を作製した。この抗体による免疫染色から、生後小脳ではLA12378-ApoER2が内顆粒層にのみ発現することが明らかとなった(Neurosci.Res.,2009)。更に、前年度に明らかにした、ApoER2依存的なリーリンN末端断片の再分泌についても追究を行ない、この現象がRab11依存的な輸送経路によることが明らかになった(FEBS Lett.,in press)。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] Regulated expression and downregulation of functional Reelin receptors indicates complex actions of Reelin during brain development2008
Author(s)
Uchida, T., Baba, A., Hibi, T., Miyata, T., Nakajima, K., Hattori, M.
Organizer
Cortical Development Meeting 2008
Place of Presentation
Crete (Greece)
Year and Date
20080522-20080525
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[Presentation] Functional Reelin receptors in the adult mouse subventricular zone/rostral migratory stream2008
Author(s)
Perez-Martinez, F. J., Lakoma, J., Cifuentes, M., Hibi, T., Hattori, M., Luque, J. M.
Organizer
Cortical Development Meeting 2008
Place of Presentation
Crete (Greece)
Year and Date
20080522-20080525
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