2007 Fiscal Year Annual Research Report
多次元空間における効果的な統計モデルの構築と応用方法の提案
Project/Area Number |
07J10144
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
久我 尚子 Tokyo Institute of Technology, 大学院・社会理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 多次元展開法 / Shonemann / 線形変換 / 初期値 / 多次元尺度法 / SAS proc MDC |
Research Abstract |
本年度は、計量的多次元展開法の改良を行った。計量的多次元展開法は、多次元データの持つ傾向を空間布置で表せるため、簡易に理解可能であり、マーケティング現場などで非常に有用だが、アルゴリズムに厳しい制約があり、計算が破綻することが多く実用化されていない。そこで本研究では、データを線形変換することで制約を緩和し、布置の変換過程を分け、段階的に最小2乗解を解析的に算出する新たな解法を検討した。その結果、従来解法では計算不可能なデータでも完全に解が得られることが確認できた。また、誤差を含んだデータ行列でも変数が20以上あれば、解が復元可能であることが確認された。さらに、実用化を鑑みて、国際的に流通している統計ソフトSASのオプション機能(proc MDS)との比較を行った。現在、計量的多次元展開法は、proc MDSを用いて計算可能だが、多次元尺度法のアルゴリズムを用いているため退化した解が得られやすい等の問題がある。その結果、本解法の独自プログラム>本解法から得られた初期値をproc MDSに適用したプログラム>proc MDSの順に適切な解が得られることが確認された。尚、20行程度のデータ行列までは本解法による解、それ以上は、初期値をproc MDSに適用したものが高精度であった。以上より、本解法の有用性が確認されたため、来年度は、個人差もモデルへの対応等、本解法の拡張を試みる予定である。
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Research Products
(2 results)