2007 Fiscal Year Annual Research Report
初期ひび割れ制御に用いる若材齢コンクリートと鉄筋の付着性状に関する研究
Project/Area Number |
07J10145
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
三村 陽一 Yamaguchi University, 大学院・ 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 若材齢 / 付着応力 / すべり |
Research Abstract |
本研究では,実構造物における応力状態や定着状況を模擬した両引き付着応力実験を行い,それを基に定着長が充分に長い場合における若材齢コンクリートと異形鉄筋の付着応力-すべり関係を求めた.また,付着性状に影響する鉄筋近傍のコンクリートに生じる内部ひび割れの観察を行った.主要な成果は下記のとおりである. 1.異型鉄筋近傍に生じる内部ひび割れ 観察実験により,若材齢ほど鉄筋周辺のモルタルでは内部ひび割れが発生しやすく,特に材齢1日では鉄筋のごく近傍に多くのひび割れが発生することを確認した. 2.すべりの評価 定着長が充分に長い異型鉄筋とコンクリートがともに引張力を受けるとき,片引き実験とは境界条件が異なるものの,鉄筋ひずみとコンクリートの断面平均ひずみの差をもってすべりを定義することで,鉄筋軸に沿った任意の位置における付着応力-すべり関係は,各材齢において概ね同じ曲線で表すことができることを示した. 3.付着応力-すべり関係の材齢変化 若材齢期においては,材齢に応じて付着応力-すべり関係が異なる曲線状を呈したものの,定着長が充分に長い場合においても,圧縮強度の2/3乗で局部付着応力を正規化することで,付着応力-すべり関係が概ね同じ曲線状となり,材齢2日以降の局部付着性状におよぼすコンクリート水和度の影響を低減できることを示した. 4.定着長の影響 材齢2日以降における付着応力-すべり関係は,定着長にかかわらず同様の曲線形状となり,定着長の異なる付着応力-すべり関係は,推定最大付着応力を定数倍することで表現できる可能性を示した.
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Research Products
(7 results)