2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規ヌクレオシド含有ポリアセチレンの精密合成と選択的ポリヌクレオチド検出への応用
Project/Area Number |
07J10151
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
覚知 亮平 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | DNAセンサー / ポリアセチレン / らせん構造 / アニオン認識 / 分子認識 / 化学センサー / 共役系ポリマー / ポリアニオン |
Research Abstract |
本年は側鎖にヌクレオシド類を有するポリマーの合成を行った。具体的には側鎖にウリジンを有するフェニルアセチレンモノマーの合成ならびに、その重合を行った。ロジウム触媒を用いた重合により、対応するポリフェニルアセチレン誘導体の合成に成功した。また、得られたポリマーの物性をNMRおよびSEC測定により同定した。さらに、ポリマー主鎖の立体構造を調査するため、円二色性(CD)測定を行った。その結果、側鎖のキラリティーにより、主鎖が一方向巻きのらせん構造を有していることが分かった。しかしながら、得られたポリマーは極性有機溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルスルポキシド、ヘキサフルオロイソプロパノール)のみに溶解性を示したことから、本分子設計では水を溶媒とした研究展開が不可能であると判断した。 以上の背景から、DNAやRNAがポリアニオンであることに着目した分子設計を試みた。具体的には、ポリフェニルアセチレンの側鎖にアニオンレセプターとして働くウレア基を介し、二種の糖類を導入した。その結果、二糖であるセロビオースを導入することで、ポリアセチレンに水溶性を付与できることが分かった。さらに、得られたポリマーの水溶液に、DNAを添加することで、ポリマー主鎖に由来するキラリティーが変化することを見いだした。従って、以上の結果より、ポリフェニルアセチレンを応答部位として用いるDNAセンサーの実現に向けた礎を築けたと考えている。
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