2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J10257
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
関田 静香 Nagoya City University, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 実効税率 / 資本所得 / 預金者規律 / 預金保険制度 |
Research Abstract |
1、利子・配当・株式等譲渡所得に課される実効税率の計測 各資本所得・金融商品の実効税率を計測した結果、1973-2003年においては、資本所得間・金融商品間の課税の中立性は確保されていたようには見えなかった。資本所得別に見ると、配当所得の実効税率が最も高く、株式の譲渡所得の実効税率が最も低く、金融商品別に見ると、株式の方が預貯金等よりも実効税率が低い場合が多いことが明らかとなった。また、各資本所得の平均限界税率が並ぶであろう2011年以降においては、資本所得別に見ると、2003年以前の実効税率よりは、各資本所得の実効税率の差は縮まっており、金融商品別に見ると、さらに金融商品間の実効税率は中立に近くなるが、株式の方が預貯金等よりも優遇されている可能性が高いという結果は変わらなかった。 2、預金者規律と預金保険制度 1998-2003年の個票データを用いて、家計による預金者規律の存在を検証した結果、小口預金者である家計においても、全ての年で預金者規律が存在していたことが分かった。しかし、2001年以降、預け替えを行う場合、家計は必ずしも健全な金融機関に預け替えてはおらず、各金融機関に預けている預金額が、預金保険制度の保護額以下となるよう、複数の金融機関に分散し、保護しているにすぎなかった。また、定期預金の完全保護の撤廃は規律を強めたが、普通預金の完全保護の延長が規律を弱めることはなかった。
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Research Products
(1 results)