2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J10265
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森阪 匡通 Kyoto University, 野生動物研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | ミナミハンドウイルカ / ホイッスル / クリックス / イシイルカ / 意思決定 / シロイルカ / コシャチイルカ / 水中マイクアレー |
Research Abstract |
集散系の社会を持つ動物、特にイルカ類における群れの意思決定の過程とその維持機構を解明することを目的とし、本年度は前年度に引き続き、御蔵島に棲息するミナミハンドウイルカと、三陸沖に棲息するイシイルカ(リクゼンイルカ型)についての研究を行った。 1.音声から見た群れ内の個体間関係:伊豆諸島御蔵島周辺海域において、この地域に生息するミナミハンドウイルカの音声と映像を収録し、各個体の音声カタログを作る資料を本年度も収集した。 2.群れの意思決定:御蔵島において、4つの水中マイクを用いた水中マイクアレーを構築し、精度評価を行い、このシステムにより、イルカのホイッスル音の位置を推定することが可能であると確認した。その後、実際にイルカの音声を収録し、多くのデータを収集することができた。現在解析中である。 3.ホイッスルを発さず、集散の程度が弱いイシイルカ(リクゼンイルカ型)の音声を3つの水中マイクを用いて収集を試みた。複数回の試行にも関わらず音声を収録することができなかった。一方、本調査中に遭遇したカマイルカ、コビレゴンドウの音声を収録することができた。 4.これまで行ってきた「個体が音声から認識する群れの範囲」「系統が異なるシロイルカの音声行動」そして「ホイッスルを発さず高周波クリックスのみ発するコシャチイルカの音声行動」の研究について、それぞれ解析を行っており、すべてについて平成21年度に発表を行う予定である。
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Research Products
(5 results)