2007 Fiscal Year Annual Research Report
障害者就業支援ネットワーク構築における人的環境要因の職リハ観点からの検討
Project/Area Number |
07J10335
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
知名 青子 Tohoku University, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 進路指導 / 移行コーディネーター / 移行支援 / 障害 / 就労支援 / 専門性 / 役割 |
Research Abstract |
本研究では、障害者就業支援ネットワーク構築における人的な環境(関係者・関係機関等)の役割・資質の構成要因の分析を行う。本年度は、各役職の専門性を最大限に生かした就業支援体制における移行支援コーディネートモデルの提案に向けて、学校教育分野における進路指導担当教諭の就業支援・進路指導職務内容の分析を行った。結果、進路指導教諭の移行コーディネーター的役割として(1)アセスメント、(2)広報・連絡、(3)支援チームの仲介役、(4)職場適応支援・職場開拓、(5)進路領域の主導的調整役が明らかとなった。これはわが国における学校教員としての移行コーディネーターの開発、育成の可能性を示唆した。さらに、これら五つの役割の実践度と進路指導教諭の職務上の負担感の関連性から、移行コーディネーターの実現化において支障となっている校務分掌組織等の問題点を指摘した(進路指導教諭の移行コーディネーター的役割,日本職業リハビリテーション学会,ポスター発表,2007)。 また、進路指導教諭(あるいは進路指導部)が校内、学校外から期待されている役割と実際に担っている教諭の移行コーディネーター的役割の関連について検討した。結果、校内からは「進路に関する情報収集・提供」が、外部機関からは「校外との連絡調整」の期待が高く、進路指導担当者の役割における(2)広報・連絡、(3)支援チームの仲介役、といった移行コーディネーター的役割が主に期待されていることが明確となった。また、校内から「職場開拓」、外部機関から「卒業後の追指導」といった役割への期待は高いものの、学校内の進路指導体制のみで対応するには厳しい現状であることから、これらを実施するにあたっては進路指導教諭のみならず、外部関係機関と連携を十分にもつなど、学校だけでの抱え込みに陥らない体制整備の必要が示唆された(進路指導担当者の役割と期待される役割の関連性,日本特殊教育学会,ポスター発表,2007)。
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Research Products
(2 results)