2008 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン量子ドット超格子構造を用いた次世代太陽電池の作製
Project/Area Number |
07J10348
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
黒川 康良 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シリコン量子ドット / 太陽電池 / 第三世代 / アモルファスSiC / フォトルミネッセンス / 欠陥低減 / 光起電力効果 |
Research Abstract |
本年度の第一の目標は、禁制帯幅内の欠陥準位密度分布を評価し、欠陥密度低減の可能性を探ることである。電子スピン分光法(ESR)により、シリコン量子ドット超格子を作製するプロセスにおいて、膜中の欠陥密度が10^<19>cm^<-3>台まで増加していることがわかった。これは、高温アニール処理の際に膜中に含まれている水素原子が高温アニールにより脱離した結果と考えられる。膜全体の欠陥低減方法として、水素プラズマ処理を行った。これは、作製したシリコン量子ドット超格子膜(Si-QDSL)を水素プラズマ中に曝露し、水素を膜中に導入することにより、水素を拡散させ、欠陥を低減するものである。実験の結果、膜全体に水素を10^<21>cm^<-3>台まで導入することに成功し、欠陥濃度を10^<17>cm^<-3>台まで減少させることに成功した。 第二の目標は、セル化への準備のため、高温プロセスに耐えることができるドーピング層材料の探索することである。ドーピング層材料の候補として、Pドープしたアモルファスシリコン薄膜を選定し、アニール後の電気的特性について実験を行った。その結果、アニール後、n型アモルファスシリコン層は完全に結晶化し、導電率が1.96×10^3S/cmという高い値が得られた。この膜をドーピング層として太陽電池構造の作製を試みたところ、Si-QDSL由来の発電と思われる光吸収を得た。この結果は、Si-QDSLからの光起電力効果を示すものであり、Si-QDSLが太陽電池材料として機能することを示す世界で初めての成果である。
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Research Products
(9 results)