2007 Fiscal Year Annual Research Report
植物細胞の極性形成を制御する小胞輸送システムの解析
Project/Area Number |
07J10385
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
楢本 悟史 The Institute of Physical and Chemical Research, 中野生体膜研究室, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 細胞極性 / エンドサイトーシス / PIN / VAN3 / GNOM |
Research Abstract |
植物細胞は動物細胞とは異なり、完全に分化した細胞ですら、偏差成長、組織・器官の再分化をし、細胞極性が再構築可能であることから、細胞極性と個体の発生・分化がより密接な関係にあると考えられる。しかしながら、植物細胞の極性形成機構はこれまで十分な解析がなされていない。本研究では、植物細胞において、細胞の頂短・基部軸に極性をもって局在し、エンドサイトーシスの制御に関与すると考えられるVAN3 ARF-GAPに関して細胞極性形成の観点から解析を行った。植物細胞の極性形成はオーキシン排出担体であるPINの細胞における偏在化により、モニター可能である。また我々はこれまでにVAN3は皮層細胞において本来細胞基部側に偏在化するPIN2が頂単部側に誤局在することを明らかにしている。本年度はVAN3の細胞の極性形成との関係について、PINの局在を指標とする更なる解析を行った。まず、VAN3には3つのホモログ遺伝子が存在し、機能的重複が示唆されることから、それらの遺伝子との多重変異体を作成し、表現型解析を行った。興味深いことに、頻度は低いながらも、PINの局在化に重要な役割を担うARF-GEFに変異を有するgnom変異体と類似した表現型を示す個体が観察された。また、この多重変異体に関してPINの局在解析を行ったところ、PIN2の局在の異常が観察されたものの、PIN2以外のPINの細胞内局在は顕著な局在化の異常は観察されなかた。gnom変異体では、PIN2に関してvan3と同様の表現型が観察されるとともに、他のPINに関しても語局在が観察されている。これらのことはVAN3がGNOMと一部、重複した機能を有するとともに、機能的に分化していることを示すと考えられる。現在、このことを明らかにするために、van3ganom2重変異体についてPINの更なる細胞内局在を解析している.
|