Research Abstract |
(1)GNOMが細胞膜に局在することを明らかにした.さらにVAN3との二重染色の結果,VAN3とGNOMは細胞膜で共局在し,さらに細胞の上下に偏在することが明らかとなった. (2)VAN3及びGNOMが細胞膜に局在するのに対し,植物体において,細胞膜に局在するARFは同定されていない.そこでシロイヌナズナに存在する全ARFに対して局在解析を行った.その結果,通常条件下で,全9種類のARFのうち,5種類が細胞膜に局在することを明らかにした.更にARF1は通常条件下では,細胞膜に局在は観察されないが,BFA処理,van3変異体下で細胞膜に局在することを明らかにし,実際にARF1が生体内でGNOM,VAN3の基質となることが示された. (3)VAN3,GNOMのエンドサイトーシスへの関与を示すために,EOS或はDendra標識したPIN1,PIN2,BOR1,BOR4を作成し,それらをvan3,gnomR5変異体に導入しした. (4)脂質合成酵素に変異を持つ,cvp2cvl1変異体では,van3変異体と同様に,BFA添加によるPIN1の凝集体形成の阻害,及びNAA処理によるPINの側方側への偏在化の阻害がみられ,VAN3,CVP2/CVL1のPIN1のエンドサイトーシスへの関与が示唆された. (5)van3,cvp2cvl1変異体は葉脈の連続性に欠損を示す.そこで分化中の維管束におけるPIN1の局在を解析したところ,van3,cvp2cvl1変異体では維管束の不連続性に先立って,PIN1の極性に異常が生じることが明らかとなった.この結果より,VAN3,CVP2CVL1がPIN1の極性形成を制御し,葉脈の連続性を構築すると考えられた.
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