2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規遺伝子Spredsのマウス造血における機能解析
Project/Area Number |
07J10393
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野波 篤 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 造血 / マウス / シグナル伝達 |
Research Abstract |
新規遺伝子SpredはERK経路の負の調節因子として発見され、in vitroにおいてマウス造血を抑制することが示されたが、in vivoにおける機能の詳細は次に研究するべき課題であった。本年度は骨髄移植を中心とした解析を行った。 1.野生型マウス骨髄造血前駆細胞に、野生型Spred-1とdominant negative Spred-1(ΔC-Spred)をレトロウイルスを用いてGFPと共に導入、GFP陽性細胞をソーティングし、long-term competitive repopulation assay(LTC assay)を行った。 2.野生型マウスとSpred-1,2KOマウス各々の骨髄を用いて、LTC assayを行った。 3.Spredsはファミリー分子間で重複性があり、ダブルノックアウト(DKO)マウスの解析が不可欠であるが、DKOマウスは、100%胎生致死(E12-14)であるため、胎児肝細胞を用いてLTC assayを行った。 結果は、キメリズム、各lineageともに野生型と有意な差がみられなかった。これはSpredsの機能が、in vivoにおいて他の分子によって代償されていることを示唆した。 また平行してconditional double KOマウスの作成を継続した。1年目に作成したES細胞よりマウスを作成し、Spred-2欠損マウスと交配し、Spred-2 flox/-マウスを樹立した。これを、Spred-1欠損マウスと交配し、Spred-1-/-Spred-2-/floxマウスを作成した。さらに、Mx1-Creトランスジェニックマウス(Tg)と交配を重ね、Spred-1-/-,Spred-2-/flox,Mx1-Cre Tgマウスを得た。今後このマウスを用いて、成体マウス造血系特異的なSpredsの役割について、解析をしていく予定である。
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