2008 Fiscal Year Annual Research Report
シラノール部位を有する新規な増感色素の太陽電池への応用
Project/Area Number |
07J10549
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山村 正樹 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 助教
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Keywords | 2,2'-ビピリジン / ケイ素置換基 / 単結晶X線結晶構造解析 / ^<29>Si NMR / 増感色素 |
Research Abstract |
二年度目は、増感色素として広く利用されている2,2'-ビピリジン錯体に着目し、ケイ素置換基を有する2,2'-ビピリジンの合成を行った。新規な配位子を目指して3および3'位にケイ素置換基を有する3,3'-ビス(トリメチルシリル)-2,2'-ビピリジン(1a)および3,3'-ビス(ジメチルフェニルシリル)-2,2'-ビピリジン(1b)を合成した。1bについては単結晶X線結晶構造解析によって、その構造を明らかにすることに成功した。ピリジンの窒素原子の孤立電子対はケイ素原子の方向を向いており、ケイ素-窒素間距離が2.698Åと、van der Waals半径の和(3.65Å)より十分に短くなっていた。また、ケイ素まわりの結合角は102.9〜118.1°と正四面体構造からひずんだ構造をしていることが明らかとなった。以上の結果から、化合物1bは隣接するピリジン部位と空間を通じた相互作用によって構造変化していると推察される。化合物1bはケイ素-窒素間距離が短いため、窒素がケイ素へ配位した五配位構造の寄与が考えられる。そこで、比較として6および6'位にジメチルフェニルシリルを有する2,2'-ビピリジン(2aおよび2b)についても別途合成を行い、化合物2bについて単結晶X線結晶構造解析を行ったところ、ケイ素まわりの結合角は108.1〜110.3°と正四面体構造に近い構造をとっていることが明らかとなった。重クロロホルム中において化合物1bと2bの^<29>Si NMRを測定したところ、化学シフトの値に大きな差は観測されなかったことから、五配位状態の寄与はほとんど無いと考えられる。ケイ素原子の構造変化は隣接するピリジン部位との立体反発によって生じていると考えられる
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Research Products
(1 results)