2007 Fiscal Year Annual Research Report
誤差履歴線形和学習制御に基づく超多自由度ロボットの運動制御
Project/Area Number |
07J10592
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松浦 大輔 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超多自由度ロボット / 冗長性活用制御 / 最適運動制御 / 達成支援性 / 運動可能性 / 柔軟運動 |
Research Abstract |
人間の日常生活空間や自然環境,災害現場などの複雑な作業空間において,予測困難な障害を克服しつつ与えられた目標運動を達成できる器用さを備えたロボットを開発するため,運動空間の自由度を遙かに上回る多数のアクチュエータを具備する超多自由度ロボットに,有する冗長自由度を最大限に活用しつつ目標運動を達成させるための運動制御則を構築した. まず,極めて多くの冗長自由度を活用するための戦略として、ロボットの任意の節に時々刻々に設定される目標運動を全関節の協調動作により最大限に達成することと,目標運動が設定されていない節に関して将来の目標運動の達成能力を最大化することを定めた.次に,これらの戦略を実現するためのロボットの運動能力の定量的な評価指標として,ロボット各節のヤコビ行列の列ベクトル要素と時々刻々に設定される目標出力速度ベクトルとの内積の総和より求める達成支援性評価指標,および列ベクトル要素のすべての組み合わせに関する内積の総和より求める運動可能性評価指標を導出した.さらに,これらの評価指標の関節角による偏微分より,冗長自由度を最大限に活用する関節入力を求める運動制御則を構築した. 構築した運動制御則の有効性を検証する実機実験を行うため,10R直列マニピュレータロボットを試作した.DCモータと遊星減速器および光学式エンコーダから成る個々のアクチュエータに対してローカルサーボ制御を行う小型サーボコントローラを設計・試作し,多数のコントローラと主計算機とを高速シリアル通信バスで接続することで,省配線かつ高速・高精度な自律分散制御系を構築した.このマニピュレータロボットが,手先の目標軌道追従と各リンクの林立する障害物の回避を同時に達成する運動制御実験を行った.提案手法の適用により出力位置の誤差の低減および全アクチュエータの出力速度が均一化されたことを確認し,提案手法の妥当性,有効性を確認した.
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