2007 Fiscal Year Annual Research Report
半導体コンプトンカメラと硬X線集光鏡による高精度偏光観測の実証
Project/Area Number |
07J10594
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 伸一郎 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ガンマ線天体観測 / CdTeピクセル検出器 / シリコンストリップ検出器 / 半導体コンプトンカメラ |
Research Abstract |
本年度前半は、研究課題を遂行するための鍵をにぎる、主検出部となる半導体コンプトンカメラの開発を行った。新規に開発したシリコンストリップ検出器とCdTe検出器を高密度に積層した、気球実験用のコンプトンカメラを開発した。60keVから662keVという広いエネルギー帯域においてイメージングに成功し、511keVのガンマ線に対して2.5度という高い角度分解能を達成した。この成果は海外学会(学会名:SPIE Symposium on Optical Engineering+Applications)で発表、論文(雑誌名:Proceedings of SPIE,Hard X-Ray and Gamma-Ray Detector Physics IX)とした。 後半でも引き続き動作実証、性能評価試験を行った。気球実験を成功させ、科学的成果を得るには、前もって検出器の応答を詳細に調べておくことが重要である。研究室での試験と平行して、群馬大学医学部・日本原子力研究開発機構と共同実験を執り行った。非密封線源を用いて、広がった構造に対するコンプトンカメラの撮像能力評価のための基礎データの取得に成功した。取得データから得られた結果は2008年3月に開催された日本物理学会において口頭発表した。2008年6月にマルセイユで開催されるSPIE Symposium、同じくサンフランシスコで開催されるSORMA West 2008でも口頭発表する運びとなっている。また、本研究課題とは直接に関係しないが、この共同実験では、コンプトンカメラの医療・製薬分野における次世代ガンマ線検出器への応用をにらみ、生体に投与したアイソトープの撮像もおこなった。生体内部に集積した異なる3核種の集積分布を同時にイメージングすることに成功し、今後にむけて貴重なデータを得た。
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Research Products
(4 results)