2007 Fiscal Year Annual Research Report
ALMAサブミリ波サイドバンド偏波分離ミクサ及びテラヘルツ振幅・位相測定系の開発
Project/Area Number |
07J10597
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神蔵 護 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 導波管型偏波分離器 / ALMA / サブミリ波 |
Research Abstract |
波長0.7mm帯の導波管型偏波分離器を開発した.1)1%の低交差偏波,かつ2)4K冷却時における透過損失が0.4dBという非常に低損失のものの開発に成功した.本研究の意義は,厳しい加工誤差が要求されるためこれまで1mm帯まででしか開発されていない導波管型偏波分離器が,加工誤差に強い電磁界設計を行うことで,サブミリ波帯でも実現可能なことを世界で初めて実証できた事である. この導波管型偏波分離器は,2mm帯のもの(浅山他,2005)のスケールモデルであり,偏波分離のためにダブルリッジ導波管を用いたモデルである.このモデルは,従来型の金属の薄い板(セプタム)を用いたモデルと比較して,可動部分がないという大きな利点を持つ.電磁界設計を最適化した結果,10μmの加工誤差でも性能がほとんど変化しないロバストな導波管型偏波分離器の設計に成功した. 交差偏波の測定を準光学測定系でおこなうことで,高精度の測定に成功した.導波管型偏波分離器は,直交する二偏波を入力し,片偏波を別々に出力するため,構造上入力と出力の導波管形状が異なる.そのため,振幅測定系(ネットワークアナライザ)では交差偏波測定のために変換が必要不可欠であり,測定精度を制限していた.しかし準光学測定系では変換を必要としないため,高精度の測定が可能となった. 4K冷却時における透過損失の測定は,DSBミクサを用いておこなった.導波管型偏波分離器をミクサとホーンの間に挿入した場合と挿入しない場合について,Yファクター法で受信機雑音温度を測定し,両者の変化から透過損失を算出した.
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Research Products
(2 results)