2007 Fiscal Year Annual Research Report
渦鞭毛藻との共生と白化現象に関与するサンゴ遺伝子の解析
Project/Area Number |
07J10602
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
湯山 育子 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 造礁サンゴ / 褐虫藻 / 細胞内共生 / 白化現象 / 遺伝子発現解析 |
Research Abstract |
サンゴと渦鞭毛藻の細胞内共生に関与する遺伝子を単離するために、渦鞭毛藻の共生した稚サンゴと共生していない稚サンゴを作成した。それらのサンゴで発現する遺伝子をcDNA AFLP法(HiCEP)により比較し、大きく発現変化する遺伝子の単離を行った。これまで、15個の遺伝子の単離に成功した。主な遺伝子としてlipase,kinase,perilipin family,NADH-ubiauinone oxidreductase chain4 等が単離された。 次に、cDNA AFLP法で単離した遺伝子が、サンゴの白化の際にどのように発現変化するのか、リアルタイムPCR法で確認した。渦鞭毛藻が感染した稚サンゴを高温水槽内で飼育し、強制的に白化させたサンプルを解析に用いた。 その結果、自化の際に発現変化する遺伝子が7個得られた。 これらの遺伝子はサンゴと渦鞭毛藻の細胞内共生に重要であると共に、サンゴの白化にも関与していると考えられる。 近年サンゴの白化現象が世界各地で問題となっており、熱帯・亜熱帯海域特有のサンブ礁生態系が失われつつある。そのため、サンゴの白化や渦鞭毛藻との細胞内共生について、遺伝子レベルでの解明が急務とされ、世界中で研究されつつある。しかし、サンゴの遺伝子解析や飼育は難しく、遺伝子研究の成果は未だ発展途上である。本研究で得られた遺伝子は、白化現象の根本的原因について追求する手がかりとして重要であり、サンゴにおけるこれら遺伝子の機能を調べることで、サンゴの保全や養殖にも役立てられると考えている。
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Research Products
(1 results)