2007 Fiscal Year Annual Research Report
高圧力の手法を用いた一次元ハロゲン架橋複核金属錯体の物性探索
Project/Area Number |
07J10614
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大坪 主弥 Kyushu University, 理学研究院, 特別研究院(DC1)
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Keywords | MMX-Chain / Ladder化合物 / 白金 / MX-Chain / 電子状態 |
Research Abstract |
本研究は一次元ハロゲン架橋複核金属錯体(MMX-Chain)を架橋配位子によって繋ぐことで新規MMX-Ladder錯体を構築し、その物性を明らかにすることが目標である。1年目となる本年度はMMX-Ladder錯体の基本構造となる白金ダイマー同士を繋いだ4核錯体の合成法を確立することを第一の目標としていたが、原料となるいくつかの白金2核(ダイマー)ユニットの合成には至っているものの、架橋配位子を用いた4核錯体の合成には現在のところ至ってはいない。今後は4核錯体の合成法の検討を行うこと、また新しい原料2核白金錯体の検討を行い、目的化合物の合成に繋げたいと考えている。 今年度は、もう一つの目的として近年2本鎖Ladder錯体の合成例のある、一次元ハロゲン架橋金属錯体(MX-Cahin)の鎖の本数を制御することによる系統的な物性評価を目的として、3本鎖、4本鎖MX-Ladder型白金錯体の合成を行い、白金の四角形錯体を基盤としたヨウ素架橋4本鎖型MX-Ladder錯体[Pt(en)(bpy)I]_4(NO_3)_8(en:ethylenediamine,bpy:4,4-bpyridyl)の合成に成功した。単結晶X線結晶構造解析の結果、この錯体は四角形錯体をヨウ素が連結した四角柱型の構造を有している事が明らかとなった。このような四角柱型の錯体は世界でも例の無い非常に特異な構造であり、国内学会でも発表を行っている。また、この錯体は従来の2本鎖Ladder錯体と比べて異なる点(構造・電子状態)を多く有していることが明らかとなり、鎖の本数の変化がもたらす物性の変化の解明の糸口になると考えている。これらの結果を踏まえて、現在論文を執筆中である。今後は、3本鎖Ladder錯体やさらに多くの鎖を有するMX-Ladder型金属錯体の合成を検討していきたいと考えている。
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Research Products
(4 results)