2008 Fiscal Year Annual Research Report
PET用プラセオジム添加希土類アルミネートシンチレータの単結晶育成及び特性評価
Project/Area Number |
07J10616
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
ジューラベリョーバ マリヤ Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シンチレータ / PET / 単結晶 / 共添加 / Pr^<3+> 5d-4f遷移 |
Research Abstract |
陽電子断層撮像装置(PET)などの高度な医療装置は、最近の急速な高齢化社会の進行により、その高度化が必要となってきた。その中核をなす結晶シンチレータの高機能化が重要で、本研究ではそういった要請に応えるべく、Pr^<3+>をYA10_3に添加した、高蛍光量、短寿命を持つシンチレータを開発することを目的とした。また高機能医療診断機を構成する上では、放射線に対する感度を高めるため、結晶の高密度化も図らなければならない。そこで本研究ではYを一部Luに置換した(Y,Lu)A10_3も開発する。さらにシンチレータ材料の効率を高め、アンチサイト欠陥などからの長寿命成分を抑制するため、AlをGaに置換することも検討した。 YAP:Pr、LuYAP:Pr、YAP:Ceの結晶を作製し、評価を行った。しかしながら、PETに応用するにはさらなる改善が必要であることがわかった。これに対して4価(Zr、Hf、Si)、5価(Ta)、2価(Mg、Co)、3価(Ga、Mo)などのイオンを置換材料として添加し、結晶の作製を試みた。作製した結晶の評価を行いつつ、添加材料の濃度として最適なものを探索した。しかしながら、期待したアンチサイト欠陥などからの長寿命成分を減少することはできず、今のところYAP:Prシンチレータの光収率の最適化には至らなかった。 YAP:Prにおけるこのような欠陥からの発光成分に関しては波長分散式熱刺激ルミネッセンス(TSL)で評価を行った。その結果低温では、欠陥が結晶の発光強度の温度依存性を特徴づけていることがわかった。また電子スピン共鳴(EPR)での評価によって不純物イオン(主に結晶の成長に使用されるるつぼから来る金属イオン)の存在が確認された。 今後これらの問題を改善する方法を模索し、より高蛍光量、短寿命を持つシンチレータへと近づける必要がある。
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Research Products
(8 results)