2007 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン結合量子ドットを用いたナノ情報デバイスの研究
Project/Area Number |
07J10625
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山端 元音 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シリコンナノデバイス / 量子情報デバイス / シリコン量子ドット / 2重結合量子ドット / 静電相互作用 / 電子線リソグラフィ / 単一電子輸送 |
Research Abstract |
シリコン系量子コンピュータ実現へ向けた基礎研究として、電荷状態を用いた1つの量子ビット(量子コンピュータのビット)に対応する、二つのシリコン量子ドットを結合させたシリコン2重結合量子ドット(Silicon Double Quahtum Dots:Si DQDs)における単一電子輸送特性評価を行ってきた。Si DQDsは高解像度の電子線リソグラフィ、エッチング、熱酸化の技術を用いてシリコン基板上に作製する。リソグラフィパターンや熱酸化の条件等を最適化することで、量子ドット間の結合状態が弱結合状態、中間状態、強結合状態となっていることを示す電子輸送特性を得ることに成功した。構造の制御による量子ドット間の結合状態の操作は極めて新しい結果である。さらにSi DQDsの横に作製したサイドゲートの電圧を利用することでDQDs中の静電結合の制御を行い、量子ドット間の結合状態が中間状態から弱結合状態へと変化する様子も観測した。構造制御と電圧制御という二つの制御方法で結合状態の制御を達成することが出来た。また、これらの電気特性を、等価回路を用いたシミュレーションにより再現することにも成功し、実験データの妥当性を確認した。量子ドット間の結合状態の制御は電荷状態を用いた量子ビットの動作速度向上の可能性を示唆する結果である。さらに、二つのSi DQDs間の相互作用解析を目的として、二つのDQDsを配列した構造を作製し、その電子輸送特性を評価することで、二つのDQDsに流れる電流パスを解析した。これはDQDs間の相互作用解析、2量子ビット動作につながる結果である。
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Research Products
(4 results)