2008 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン結合量子ドットを用いたナノ情報デバイスの研究
Project/Area Number |
07J10625
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山端 元音 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シリコンナノデバイス / 量子情報デバイス / シリコン量子ドット / 2重結合量子ドット / 電子線リソグラフィ / 単一電子輸送 |
Research Abstract |
シリコン系量子コンピュータ実現へ向けた基礎研究として、シリコン2重結合量子ドット中の電子輸送特性の評価を進めている。シリコン2重結合量子ドットに閉じ込められた電子の物性を解明することは、量子情報技術において極めて重要な意味を持つ。特に、シリコン量子ドット中の電荷状態や電子スピン等を利用した量子ビット(量子コンピュータの基本単位)作製を目指している。シリコン量子ドットは高解像度の電子線露光、エッチング、熱酸化の技術を用いてシリコン基板上に作製する。 当該年度は量子ドットを配列した構造を作製し、多量子ビットに対応したシリコン多重量子ドットアレイデバイスでの電子輸送特性評価を行った。低温(4.2K)での評価結果と等価回路シミュレーションを比較すると、3重結合量子ドットがデバイス内に形成されていることが確認された。量子情報デバイスにおいて、3重結合量子ドットは量子状態の保持等に極めて重要な役割を持つことが理論的に予測されているが、シリコン系での明瞭な電子輸送観測はこれまで報告されていなく、世界でも初めての研究成果となる。 また、量子ドット構造をさらに最適化し、高い制御性を持つデバイスの試作も行った。これまでは、高濃度に不純物をドーピングしたシリコン基板を用い、くびれ構造を作製することによって、トンネルバリア形成を期待した構造であったが、トンネルバリアの確実な制御は困難であり、更なる工夫が必要なことが判明した。そこで、くびれを持たせた量子ドット構造とサイドゲートを持った構造上に、さらにトップゲートを配置した構造を提案した。トップゲートにより2次元反転電荷を形成し、電気特性を評価する。トンネルバリア制御をくびれだけでなく、サイドゲートに印加する電圧により行うことで高制御化か期待される、構造制御と電圧制御の両面を用いたデバイスである。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Silicon-based Quantum Information Devices2008
Author(s)
Gento Yamahata, Yoshiyuki Kawata, Manoharan Muruganathan, Shunri Oda
Organizer
Nanotech in Japan, The Fourth International Nanotechnology Conference On Communication And Cooperation
Place of Presentation
学術総合センター一橋記念講堂(東京都、千代田区)
Year and Date
2008-04-14