2009 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン結合量子ドットを用いたナノ情報デバイスの研究
Project/Area Number |
07J10625
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山端 元音 Tokyo Institute of Technology, 量子ナノエレクトロニクス研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | シリコンナノデバイス / 量子情報デバイス / シリコン量子ドット / 2重結合量子ドット / 電子線リソグラフィ / 単一電子輸送 |
Research Abstract |
シリコン系量子コンピュータ実現へ向けた基礎研究として、シリコン2重結合量子ドット中の電子輸送特性の評価を進めている。シリコン2重結合量子ドットに閉じ込められた電子の物性を解明することは、量子情報技術において極めて重要な意味を持つ。特に、シリコン量子ドット中電子スピンを利用した量子ビット(量子コンピュータの基本単位)作製を目指している。シリコン量子ドットは高解像度の電子線露光、エッチング、熱酸化の技術を用いてシリコン基板上に作製する。 当該年度はくびれを持たせた量子ドットとサイドゲートを持った構造上に、さらにトップゲートを配置した構造を提案し、構造作製、低温電気特性評価を行った。トッププゲートにより2次元反転電荷をシリコン表面に形成し、サイドゲートにより量子ドットのポテンシャル制御及びトンネルバリア制御を行う。本構造は構造制御と電圧制御の両面を用いたデバイスである。 測定温度4.5Kでこれまでより明瞭な直列2重結合量子ドットの電荷3重点を観測した。さらに多重量子ドット起因のランダムな電流振動特性が観測されず、大幅にデバイス特性を改善することが出来た。また、実験から求めたゲートキャパシタンスを理論計算と比較することで、量子ドットの配置、サイズを確かめることが出来た。さらに、結合量子ドットの量子ドット間静電結合をサイドゲートでこれまでよりも極めて明瞭に制御することに成功した。この基本的構造を用いることで、将来のシリコン系量子情報デバイスへ向けた可能性が拡がると考えられる。
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Research Products
(4 results)