Research Abstract |
本研究者の研究では,機器に目や手などを取り付け,機器からの直接的な情報提示を実現する.機器自体を擬人化することで,人間と機器が直接対話可能となり,他の情報提示者を介在しない情報提示が可能となる.本年度は,前年度までの実験結果を元にし,擬人化パーツの配置位置を自動的に検知して対象を擬人化することで,専門家ではない一般ユーザでも容易に空間を擬人化可能な擬人化オーサリングツールの設計及び開発を行った.また前年度までの実験より,擬人化手法は年齢によらず受け入れやすいことが予測された.これを踏まえ,高齢化社会での家庭内機器からの情報提示を目標とし,家庭環境内でのセンサによるユーザ行動検知手法を検討するとともに,特に老人を対象とし,MITのAgeLabに滞在し,米国の老人を対象とした実験を行った.実験の結果,従来のマニュアルを用いた手法に比べて擬人化手法は学習中の学習動機を向上させること,音声のみを用いた従来の対話手法に比べ,擬人化しジェスチャを介した手法は,位置に依存した機器の機能の記憶量を増やすことが分かった. 研究成果のうち,擬人化オーサリングツールについて,情報技術に関する発表会IPAX2009,CG及びインタフェースに関する国際会議SIGGRAPH 2009に出席し,デモンストレーションを行った.また,擬人化された身体の形状範囲について,開発したツールを用いて評価し,ヒューマンロボットインタラクションに関する国際会議HRI2010にて,ワークショップ発表,及びポスター発表を行った.さらに,家庭環境内でのユーザ行動検知,擬人化による応答時間の許容度の変化について,筆者を副著者として,国際論文誌・国内論文誌に掲載された.老人を対象にした擬人化表現の評価については,それぞれロボットに関する国際会議IROS及びRO-MANに投稿中である.さらに,擬人化手法による機能記憶の向上,身体性の評価について,それぞれIN-TECHの電子出版本への掲載が決定した.
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