2007 Fiscal Year Annual Research Report
高赤方偏移銀河の観測に基づく銀河の形成と初期進化の研究
Project/Area Number |
07J10649
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 真希子 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 高赤方偏移銀河 / 銀河形成 / 銀河進化 |
Research Abstract |
銀河がいつどのようにして形成されどのように進化してきたかという問題を明らかにするためには、宇宙初期、つまり遠方の銀河を直接観測することが不可欠である。理論的には、宇宙の構造形成を記述する標準的なモデルとしてCold Dark Matter(CDM)モデルがある。CDMモデルでは、宇宙誕生直後の微小な密度揺らぎが時間と共に成長して小さなダークハローができ、それらが集合合体して大きなシステムになり、その中で銀河が誕生し進化していくと予想される。そのため、宇宙初期の各時代において銀河とそれが属するダークハローの関係を明らかにすることが、銀河形成・進化を統一的に理解する上で非常に重要である。 本研究では、可視近赤外に渡る広い波長範囲での広視野で深い観測に基づき、誕生後約10億年から20億年の宇宙における銀河を多数検出し、銀河の基本的な性質である星形成率・星質量と銀河が属するダークハロー質量との関係を調べた。その結果、大きなダークハローの中には星質量の大きいものから小さいものまで、どのような星質量の銀河も存在し、さらに星質量に関わらず様々な星形成率のものがあるが、小さなダークハローの中の銀河はどれも星質量は小さく星形成率も小さいことが分かった。この結果は、銀河の星質量と星形成率の上限には銀河が属するダークハローの質量との相関があり、大きいダークハローでは上限が大きいことを示唆している。本城究の観測結果は、ダークハローの中での銀河の星形成の過程を解明する上で重要な手掛かりとなる。
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Research Products
(1 results)