2008 Fiscal Year Annual Research Report
ウェールズ地方に産するアングルシー藍閃変成帯の変成帯構造と変成鉱物分帯の研究
Project/Area Number |
07J10651
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川井 隆宏 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | バラントレー / ブルーシスト |
Research Abstract |
本課題では、地質学発祥の地であるブリテン諸島が、どのような地質構造発達プロセスで形成されたかを明らかにすることを大目的とし (1)ウェールズ西部、アングルシー地域が沈み込み帯で生じる太平洋型造山運動で形成されたことを認定するための研究 (2)スコットランド南部、バラントレー地域が太平洋型造山運動で形成されたことを認定するための研究を行いました。 20年度は(2)の目的を達成するために、バラントレー地域に産するオフィオライトと高圧変成岩に注目し、記載岩石学的な研究によって、それぞれが保持する変成度の決定を行いました。その結果は、高圧変成岩は、緑色変岩相、青色変岩相、緑レン石-角閃岩相の鉱物組み合わせを保持し、いわゆる沈み込み帯の地温勾配を特徴づける高圧中間型の変成相を保持していることが明らかとなりました。一方でオフィオライトは、低圧な変成条件で形成された鉱物組み合わせを保持しており、このことからオフィオライトは海洋底熱水変成作用を被っていると解釈しました。以上の結果から、バラントレーの高圧変成岩は沈み込み帯で変成作用を被った後に、上昇しオフィオライトの底に定置したと結論づけました。本研究の成果は、この地域にかつて沈み込み帯が存在していたことを示し、このことはこの地域が太平洋型造山運動で形成された地質体であることを示します。 本研究成果は、論文として海外の学術論文雑誌(Lithos)で発表しており、高い評価を受けています。
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Research Products
(3 results)