2008 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物の分子進化における分子シャペロンSHEPHERDの機能解析
Project/Area Number |
07J10675
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丹羽 智子 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | シロイヌナズナ / 分子進化 / 分子シャペロン / Hsp90 / CLAVATA2 / SHEPHERD |
Research Abstract |
シロイヌナズナのCLAVATA2(CLV2)には、系統間でアミノ酸置換が多く蓄積しており、その中でも、Ws系統由来のWs型CLV2はその機能発現に分子シャペロンHsp90であるSHEPHERD(SHD)が必要なことは、当研究課題開始時までに明らかになっている。 CLV2には系統間でアミノ酸置換が多く蓄積していることから、Ws型CLV2の他にもSHDに依存して機能しているものが存在する可能性が考えられたので、各系統のCLV2遺伝子をshd-1変異体に導入した遺伝子導入植物を用いて、CLV2のSHD依存性を評価した。導入したCLV2遺伝子は、アミノ酸配列よりSHD依存的に機能している可能性が高いと判断したもので、(A):Ws型CLV2にSHD依存性をもたらした原因と同じアミノ酸置換をもつCLV2、(B):(A)とは異なるアミノ酸置換を持つCLV2、の2つに大きく分けられる。(A)については、解析した3タイプ全てがSHD依存的に機能することが判明し、Ws型CLV2に生じたたった1つのアミノ酸置換によってCLV2のSHD依存性が決められている、という昨年度の結果をさらに裏付けるものとなった。(B)については、現在も解析を続けているところであり、次年度にはその結果を示す予定である。 また、Ws型CLV2は、SHDの分子シャペロン活性に依存して機能していると推定されることから、CLV2の変異と協調して、SHDにも変異が生じている(構造を変えている)可能性も考えられたので、SHDのシーケンス解析を行った。その結果、CLV2のアミノ酸置換のタイプ(特にWs型CLV2にSHD依存性をもたらした原因のアミノ酸置換の有無)とSHDのアミノ酸配列との間には相関性が見られなかったため、SHDの変異とCLV2の変異は協調して生じているわけではなく、それぞれが独立に生じていることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)