2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J10693
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中山 留美子 Nagoya University, 大学院・教育発達科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 自己愛 / 対人相互作用 / 行動指標 / 自尊感情 |
Research Abstract |
研究2の目的に関連し,昨年度よりデータ収集を続けていた観察実験について,結果の分析を行った。行動指標(笑顔,うなずき,視線など)をもとにしたデータにより,自己愛者が実際の相互作用の中でどのように他者を参照するのかということについて,従来の臨床実践に基づく知見や質問紙調査からの知見の確認ができ,また,質問紙調査では得られていない知見も見出された。この結果については,今年度のパーソナリティ学会において発表を行い,現在学術論文の執筆を行っている。 また,類似の概念である自尊感情との相違点や共通点について知見のレビューをはじめ,ワークショップでの発表や論文執筆を行った。その成果から,両者の違いについて実証的に示すべく,新たな研究を計画し,これまでにデータ収集を行った。この研究は,成人期以降の自己愛について検討した研究1の知見を補完する意味も持っている。すなわち,研究1では,自尊感情が加齢とともに高まっていく一方で,自己愛については側面によって発達の様相が異なることが示されている。この結果は,自己愛と自尊心には共通性があるが,自己愛には自尊感情とは異なる何らかの性質が含まれていることを示唆するものと捉えられた。本年度この調査の結果については一部学会発表を行っており,学術誌への投稿を行っている途中である。来年度にむけ,両者の違いについてさらに分析を行い,学会や学術雑誌で公表を行っていく予定である。
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Research Products
(4 results)