2007 Fiscal Year Annual Research Report
クロロフィル生合成系における二つのニトロゲナーゼ類似酵素からみた光合成の進化
Project/Area Number |
07J10733
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野亦 次郎 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ニトロゲナーゼ / クロロフィル / バクテリオクロロフィル / プロトクロロフィリド / クロロフィリドa / ポルフィリン環 / クロリン環 / 鉄硫黄クラスター |
Research Abstract |
バクテリオクロロフィル生合成系の後期過程には、ニトロゲナーゼに類似した2つの酵素、暗所作動型プロトクロロフィリド還元酵素(DPOR)とクロロフィリドa還元酵素(COR)が存在し、各々ポルフィリンのD環、B環を立体特異的に還元することにより、バクテリオクロロフィルの光学特性を決定づけている。これら二つの酵素は、ニトロゲナーゼと共通の祖先型酵素から進化してきたと考えられ、現在の地球の酸素に富む環境をもたらした酸素発生型光合成の成立と深く関連している。本研究では、DPORの触媒コンポーネント、NB-蛋白質の結晶化に成功し、その立体構造を明らかにする事ができた。NB-蛋白質が保持する[4Fe-4S]型の鉄硫黄クラスターは3つのシステイン残基と1つのアスパラギン酸残基により保持されていた。既知の[4Fe-4S]型の鉄硫黄クラスターは4つのシステイン残基により保持されているものがほとんどであり、酵素蛋白質では初めての例であった。また、紅色非硫黄細菌Rhodobactercapsulatusの大量発現株から調製したNB-蛋白質の解析から、NB-蛋白質がDPORの触媒コンポーネントであること、酸素に対し安定であることを明らかにした。以上の結果から、DPORのNB-蛋白質はニトロゲナーゼのMoFe-蛋白質と同様に基質の還元を行なう触媒コンポーネントという点で共通しているがP-clusterやFeMo-co factorといった複雑な金属中心ではなく、酸素に耐性のある[4Fe-4S]型の鉄硫黄クラスターを保持しており、ニトロゲナーゼのMoFe-蛋白質とは異なる性質を持つことが明らかになった。 現在私は変異型蛋白質を作製し、鉄硫黄クラスターの保持に関わるアスパラギン酸残基の役割の検証、さらには基質の認識・還元反応に関わると推察されるアミノ酸残基の検討を行なっている。
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