2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J10742
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤森 俊明 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超対称性 / ソリトン / ボーテックス / ドメインウォール |
Research Abstract |
1.ヒッグス場の質量パラメータが縮退した場合のドメインウォールについて研究を行った。この研究では質量が縮退した理論におけるドメインウォールの特徴としで'non-Ablian cloud"と呼ばれる非可換なゲージ群に対して磁荷を持ったモノポールの場合と類似したゼロモードが存在することを示し、それらの自由度を含むモジュライ空間について調べた。更にモジュライ空間の計量を導出し、それに基づいたダイナミクスを議論しでnon-Ablian cloud"の励起によって今までに知られていない新たなBPSドメインウォールの束縛状態の存在を示した。 2.一般的なゲージ群におけるボーテックスについて調べた。ボーテックスはヒッグス相においてモノポールを閉じ込めているソリトンであることから、モノポールに関する物理を比較的解析が容易であるボーテックスの立場から調べることが可能であると期待される。この研究は一般のゲージ群におけるボーテックスに関する情報から、一般のゲージ群におけるモノポールに関する準古典的または量子論的な性質を議論することを念頭に置いたものである。我々はこの研究によってモジュライ行列を用いて任意のゲージ群におけるボーテックスのモジュライ空間を系統的に調べる手法を開発した。 3.ボーテックスのネットワークとアメーバやトロピカル幾何といった数学的対象の間の関係について研究を行った。ボーテックスとドメインウォールの間には深い関係があるため、ボーテックスのネットワークとドメインウォールのネットワークの間にも同様の関係があると期待されるが、それを理解する際にアメーバやトロピカル幾何が役立つことを示した。 4.N=2SO(N)、USp(2N)超対称ゲージ理論のヒッグス相における低エネルギー有効理論に関する研究を行った。具体的にHiggs branchのバイパーケーラー計量を求め、対応する非線形シグマ模型においてBPSボーテックスの低エネルギーにおける対応物となっているBPSランプ解について調べた。 5.3+1次元N=2超対称U(1)ゲージ理論のヒッグス相においてドメインウォールに端点を持つボーテックスストリングの有効理論を構成した。この系を通常のソリトン系とみなしてモジュライ近似を用いてモジュライ空間の計量を求めることによって有効理論を構成できるが、一方でボーテックスの端点はドメインウォール上のゲージ場に電荷を持った粒子とみなせ、その立場からも有効理論を構成でき、両者が一致することを示した。
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Research Products
(9 results)