2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J10793
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
細川 隆史 National Astronomical Observatory of Japan, 理論研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 星形成 / 星間現象 / 大質量星 / 原始星 / 質量降着 / 電離領域 / 分子雲形成 |
Research Abstract |
今年度は大質量星のフィードバック過程と形成過程のそれぞれに関して並行して研究を行った。 フィードバック過程に関しては、前年度から主に紫外光が周囲の星形成や星間物質循環に及ぼす影響について調べてきたが、今年度はこれらの成果を論文として出版した。特に論文2では電離領域膨張に伴う誘発的な分子雲形成について調べ、数値計算に加えて独自に観測データの解析も行って新たに形成されるガス相について詳しく議論した。計算結果は分子雲と中性ガスの中間的なガス相ができ得ることを予言したが、観測データを解析したところこれと非常によく合致する兆候を実際に複数の電離領域の周囲に見つけた。この結果については昨年度秋の天文学会企画セッションにおける招待講演でも発表した。 形成過程については新たに質量降着中の原始星進化の計算に着手した。大質量星の形成過程はいまだ未知の部分が大きいが、近年は理論・観測両面で非常に大きな降着率のもとで大質量原始星の進化が進むとの説が示唆されていることから、主にこの場合での原始星の進化を詳しく調べた。さらに、降着率や金属量を広い範囲で変えて低中質量原始星や宇宙初期の原始星との関係を探った。その結果、原始星の進化は降着率によって大きく変わり、大降着率の下での大質量原始星は半径が非常に大きくかつ内部が低温のまま進化することが分かった。昨年度は国際学会で話す機会にも恵まれたので、初期の結果について発表した。その後も解析を進め、現時点で結果を論文にほぼまとめて投稿に備えている段階にある。
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