2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J10793
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
細川 隆史 National Astronomical Observatory of Japan, 理論研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 大質量星 / 原始星 / 前主系列星 / 低金属量 / 降着 / フィードバック / 核反応 / 銀河形成 |
Research Abstract |
これまでの研究に続いて、質量降着中の原始星の進化を解く計算コードを構築した。降着率の大小により原始星の進化がどのように変わるかが明らかになった。降着率の小さい場合はいわゆる低・中質量原始星の進化に対応し、大きい場合は大質量原始星の進化に対応すると考えられる。さらに、前年度は金属量の大小による環境依存性についても研究を進めた。まず、金属量が低い場合の原始星への質量降着率を星なしコアの熱進化から予測した。この降着率の下で原始星の進化を計算し、さらに周囲の降着外層にはたらくフィードバック過程がいつ甚大になるか調べた。誕生する星質量は質量降着がいつまで続くかに依存しており、予想される星の最終質量をそれぞれの金属量ごとに評価した。またこれまでの計算では、星と周囲の降着流ともに球対称を仮定し、それぞれを星表面の降着衝撃波のjump conditionでつないで全体の構造を決めていた。ただし、実際には星周囲には降着円盤が形成され、ガスは円盤を通じて星表面に降り積もると考えられる。このときは、円盤中でエントロピーを捨てることができるため、星の構造が大きく変わる可能性がある。そこで今回は、外部境界条件に星の進化計算で一般的に使われるphotospheric boundaryを採用し、質量降着により星質量が増加していく効果は残して大降着率下での原始星進化を計算した。これまでの計算と比べると、星の進化は星質量が小さいときはかなり異なっており、例えば半径はかなり小さいまま進化する。ところが10M_sun近くまでなると星は急激に膨張し、いっきに100R_sun近くまで達することがわかった。これはこれまでの計算と同程度であり、これ以降の進化はほとんど境界条件の差によらない。
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Research Products
(3 results)