2007 Fiscal Year Annual Research Report
学習に困難を示す子どもの教育支援プログラムと脳機能の変化
Project/Area Number |
07J10857
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福島 美和 Kyoto University, 霊長類研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 学習障害児 / eラーニング / NIRS / 療育 |
Research Abstract |
学習に障害をもった子どもに向けた、「聞く」「読む」「書く」「理解する」に関するそれぞれのコンピューター課題を作成し、実施した。また、それぞれの子どもが課題に取り組む前と取り組んだ後の認知機能、脳機能の変化、更には課題期間終了後3ヶ月経ってからの認知機能、脳機能の変化を計測し、課題が子どもに与える効果を検討した。被験者の自宅に出向き療育を継続する一方で、被験者数も新たに7人増やし、新しい被験者については今後の実験を円滑に実施できるよう、学習の体制を整えることと、実験者との信頼関係を築くことに重きを置いて療育を行った。秋には、第一回Mind Brain and Education学会大会に参加し、自らの研究の紹介をすると共に世界の教育事情について見聞を広げてきた。更に、アメリカのハーバード大学に短期間所属し、大学院教育学研究科(HGSE)のカート・フィッシャー氏の下で、アメリカの学習障害をもった子どもへの最新の教育事情について学んできた。特に参考になったのが、ボストン北部にあったランドマーク小中学校の教育運営方針である。この学校は、通常の学校とは異なり、ディスレクシア(読字障害)の子どものみを対象とした学校であり、ボストン周辺のディスレクシアの子どもが集まっていた。クラスは少人数制で、クラスのメンバーは学年ではなく、それぞれの科目において学力のレベルで分かれており、子どもたちが着実に学力をつけていけるシステムになっていた。日本では、まだこのような徹底した体制が整っている小学校は少なく、参考にすべき点が多々あった。また、これまでの研究成果を社会の一人でも多くの人に還元できるよう、受け入れ研究者と共に本の執筆も行った。
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Research Products
(3 results)