2009 Fiscal Year Annual Research Report
学習に困難を示す子どもの教育支援プログラムと脳機能の変化
Project/Area Number |
07J10857
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福島 美和 Kyoto University, 霊長類研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 発達障害 / 学習支援 / CBCL / 4-18 |
Research Abstract |
名古屋市を拠点に発達障害児の読み書き学習支援を展開させてきた。対象児は小学校1年~5年までの発達障害児13名、それぞれ名古屋市児童福祉センターの医師による診断を受けた児童が対象であった。ここでは、週1回の40分間の個別学習支援と、e-learningを用いた家庭学習の促進、また、学習支援後15分間保護者に対するカウンセリングを行ってきた。以下大きく二つに分けて内容及び成果について報告する。 まず、学習機能の変化について報告する。個別学習支援の内容は、9種類の評価課題の結果により、個別に設定きれていた。支援に30種類以上の課題かう、1回に4~6種類の課題が選別きれ用いうれた。その結果、読み、書き、理解、記憶などの学習機能において、全参加児に成績の向上が見られた。また、標準検査である絵画語彙発達検査においても、成績の向上が見られた。このことから、学習支援により読み書きに関わる学習機能が向上し、定型発達児との差が縮まってきたといえる。次に、本学習支援による子どもの問題行動の変化について報告する。発達障害の子どもは、自己評価や自尊心の低さから、非行やひきこもりといった二次障害につながりやすい。そのような二次障害のリスクは、問題行動の多さを評価することにより、ある程度予測が可能である。今回は、標準化きれたチエツクリスト、「子どもの行動チュックリスト(CBCL)」を用いて、学習支援を通して子どもの問題行動がどのように変化するのかを評価した。その結果、I年間の学習支援を通して、全ての参加児において問題行動が減少したことが明らかになった。学習支援と保護者のカウンセリングが、子どもの精神・行動面に与えた変化を捉えることができたことは、大きな進歩であると考えている。今後は、このような地域における支援システムを整備し、より多くの発達障害の子どもに支援を提供できるシステムを構築することを目標とし、研究を推し進めていきたい。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] How can cognitive and learning science contribute to implementing E-Learning in Japanese school2009
Author(s)
Fukushima, M., Ito, H., Kubo Kawai, N., Sugasawara, H., Yamamoto, J., Masataka, N.
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Journal Title
Cognitive Studies 16
Pages: 377-389
Peer Reviewed
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[Presentation] Changes in brain activation associated with improvement of reading performance in children with learning difficulties2009
Author(s)
Fukushima, M., Sugasawara, H., Hiraishi, H., Kubo-Kawai, N., Yamamoto, J., Masataka, N.
Organizer
International Mind Brain and Education : Second Conference
Place of Presentation
Philadelphia, U.S.A.
Year and Date
2009-05-29