2008 Fiscal Year Annual Research Report
学習に困難を示す子どもの教育支援プログラムと脳機能の変化
Project/Area Number |
07J10857
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福島 美和 Kyoto University, 霊長類研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 学習困難児 / パソコン / 学習支援 |
Research Abstract |
名古屋市の児童福祉センターを学習支援の拠点とし、11名の子どもに対し、長期的な学習支援を行ってきた。現在支援している子どもは、小学校1年〜4年までの11名で、学習障害、自閉症スペクトラム、注意欠陥/他動性障害の子どもが含まれている。1名につき40分の学習支援と、保護者との10分間の面談を週に1回ずつ行っており、合計週に11ケース担当している。研究1年目で作成した評価課題や学習支援課題等を用いて支援を行っている。また11名の学習の困難さは多岐に渡るため、今年度も引き続き、それぞれの子どもの認知特性に対応した30種類以上の学習課題を作成してきた。家庭学習用のパソコンを用いた課題も作成した。その結果、正しく書ける文字の種類が増加し、より長文を長時間記憶していられるようになった。子ども達は、教室に来ることをとても楽しみにしている。学校とは異なり、教室での勉強に対するモチベーションはとても高い。モチベーションが高いと、学習も円滑に進む。その結果、研究1年目の先行研究と同じような認知機能の向上が明らかになってきている。そして、課題の前後で、脳の血流量の変化もNIRS計測により捉えることができた。一方で認知機能の評価の結果や、子どもの学習の様子などについて、子どもの学校担任と情報を共有することも可能になりつつある。子どもの学習後、10分間保護者との面談を設けることにより、保護者に子どもの特徴を的確に伝えることができる。それにより保護者の子ども理解が進み、親子関係が円滑になってきている。親子関係のストレスが軽減された子どもは、より快適に生活できるようになり、学習への意欲も促進されてきている。
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Research Products
(2 results)