Research Abstract |
在宅要介護高齢者を介護する家族の介護負担に影響を与える要因を明らかにする目的で平成21年10月に札幌にて2回目の追跡調査を行った。サブスタディとして平成21年8月~平成22年3月に高知にて追跡調査と同じ調査票を用いた断面調査を行った。統計解析はカイ二乗検定とlogistic回帰分析を用いた。札幌の結果では17人(34.7%)が抑うつであり、高知の結果では30人(46.1%)が抑うつであった。介護者の性、介護者の年齢、Life eventで補正をした解析では、札幌では介護者が配偶者であること(Odd=10.06, 95%CI=(1.19, 53.71))、介護者がイライラを上手に解消していること(0.01, (0.00, 0.12))、通所サービスを上手に利用していること(0.23, (0.06, 0.92))、家計にゆとりがあること(0.03, (0.00, 0.30))、主体的健康感がよいこと(0.22, (0.05, 0.98))、要介護者が高齢であること(0.08, (0.01, 0.48))が抑うつの関連要因であった。札幌と高知を合算した結果では、介護者が配偶者であること(2.66, (1.06, 6.68))、介護者がイライラを上手に解消していること(0.10, (0.03, 0.30))、家計にゆとりがあること(0.38, (0.16, 0.89))、主体的健康感がよいこと(0.31, (0.13, 0.71))、要介護者が高齢であること(0.30, (0.13, 0.71))、要介護高齢者をおいての外出が可能であること(0.32, (0.12, 0.88))、デイケアを利用していること(0.19, (0.04, 0.93))が抑うつの関連要因であった。
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