2007 Fiscal Year Annual Research Report
口腔フローラが口腔および全身の健康に及ぼす影響の解明
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07J10886
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹下 徹 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 口腔フローラ / T-RFLP法 / 16S rRNA遺伝子 / 歯周病 / 口臭 |
Research Abstract |
我々は多様なパターンを示す口腔フローラと疾患の関係を明らかにするため、本年度はまず大規模な集団における菌叢らの比較解析を行うことのできる解析系の確立を目指した。分析対象と同じ部位をサイズスタンダードとして分子量に基づいたサイズ定義を行うことでT-RFLP法における断片長測定精度の向上に成功し、解析プログラムを用いたピークに対応する菌種の迅速かつより高精度な推定が可能になった。これについてはOral Microbiology and Immunology誌に論文が掲載され、また米国において特許の申請も行っている。さらに菌叢の全体像を把握するために増幅断片長を800塩基程度になるようなプライマーに変更し、蛍光標識を両5'末端に施し、それに対応した解析プログラムとなるように改良を行うことで2種類の制限酵素切断データから由来する菌叢の構成を把握できるシステムとしてほぼ確立した。 また、さまざまな口腔状態の被験者の口腔内から唾液、プラーク、舌苔などの臨床サンプルの採取を行い、これまでに数千の臨床サンプルを収集した。それらについて疾患と関係のある常在細菌叢パターンの特定にも着手し、口臭と関連のみられる唾液中の特徴的な菌叢パターンを特定できたため、日本歯周病学会において報告を行った。これについては現在論文を投稿中である。一方で、サポートベクターマシンを用いて、蓄積されたT-RFLPパターンデータを利用し新たに得られたT-RFLPパターンからその被験者の口臭の有無を予測するシステムの開発を行った。
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