2008 Fiscal Year Annual Research Report
口腔フローラが口腔および全身の健康に及ぼす影響の解明
Project/Area Number |
07J10886
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹下 徹 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 口腔フローラ / T-RFLP法 / 16S rRNA遺伝子 / 歯周病 / 口臭 |
Research Abstract |
我々は口腔の健康状態と関連する口腔フローラの特徴を捉えるために大規模集団におけるT-RFL法に用いた口腔の細菌構成の比較解析を行った 日吉歯科医院(酒田市)を訪れた40歳以下の被験者200名について口腔の健康状態についての審査(残存歯数、齲蝕経験歯数、歯周ポケット深さ、プロービング時の出血の有無、喫煙の有無)を行うととにパラフィン咀嚼時の刺激唾液の採取を行った。唾液中に含まれる細菌の構成はT-RFLP法を用いてークパターンとして表し、その類似度に基づいてクラスター解析を用いて被験者の分類を行った。20名のT-RFLPパターンは、Prevotellaに相当するピークとVeillonellaに相当するピークが他の群に比べて意に大きいクラスターI、ではStreptococcusに相当するピークが大きいクラスターII、Neisseria、HaemophilusもしくはAggregatibacterに相当するピークとPorphyromonasに相当するピークが、大きいラスターIIIの三群に分類された。これら三群においては、残存歯数や齲蝕経験歯数といった齲蝕にわる指標には差が認められなかったのに対して、歯周ポケット深さではクラスターIとIIが、プロービグ時出血点数ではクラスターIが残りの群に比べて有意に高かった。これらのことから口腔フローラ構成と歯周疾患の状態に関連があることが示唆された。 さらに、迅速かつ簡便にピークに対応する菌種の特定を行い細菌群集の構成を把握する解析プログラムBP-TRFMAの作製を行った。このプログラムでは集団における各ピークの面積割合の相関係数を考慮に入れることできわめて短時間でそれぞれの被験者の細菌群集を構成している細菌を特定し、その比率を算出することが可能になった
|