2008 Fiscal Year Annual Research Report
機能性ナノ2次構造フォールドマー分子の設計とその機能解析
Project/Area Number |
07J10923
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長野 正展 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ヘリックス / 環状ジ置換アミノ酸 / 不斉エポキシ化反応 / キラル分子認識 / ペプチド / コンフォメーション / L-ロイシン / Aib |
Research Abstract |
機能性ナノ2次構造フォールドマー分子を設計し、その二次構造解析と機能を付加することを目的としており、付加する機能としては、項目1:アミロイド凝集阻害や抗菌活性などの生理活性を有するペプチド設計と、項目2:ナノ・ヘリックスによる不斉反応などのキラル分子認識の研究項目を行っている。 具体的な研究計画は、[1]分子モデリング、[2]アミノ酸とオリゴマーの合成、[3]ペプチド二次構造の解析、[4]キラル分子認識と生物活性の測定の4段階で進めている。本年度は段階[2-4]を中心に実験を行った。 段階[2]に関しては、天然のアミノ酸L-ロイシン・シークエンスにキラルな環状ジ置換アミノ酸を導入したヘテロペプチドを液相法にて効率に合成した。キラル環状アミノ酸の比較対象としてアキラルなジメチルグリシン(Aib)を導入したペプチドも合成した。 段階[3]に関しては、合成したペプチドの二次構造解析を行い、溶液状態ではNMR、CD、FT-IRにより、結晶状態に関しては、X線結晶解析にてペプチドの精密解析を行ったところ、N末フリーなドデカペプチドの場合カルボニル化合物とのN末での水素結合が可能であることがわかった。得られた結果は、次年度に段階[1]の分子モデリングへとフィードバックし、理想構造の設計と精密化を行う。 段階[4]に関しては、項目2のキラル分子認識の反応として、Julia-Colonna不斉エポキシ化反応を選び、アキラルなAib、あるいはキラル環状アミノ酸を導入したα-ヘリカルなペプチドを不斉触媒として用いる反応を調べた。その結果、環状アミノ酸SS-OMを導入したノナペプチドを用いることで、96%e.e.と高いエナンチオ選択性を示すことが分かった。また従来知られるアキラルなAibをを導入した報告と比較すると、キラル環状アミノ酸導入ペプチドは安定なα-ヘリックスを形成し、より優れたペプチド不斉触媒であることが示唆された。
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Research Products
(8 results)