2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波プラズマCVD法によるハイパワーナノダイヤモンドダイオードの作製
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07J10950
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池田 知弘 Kyushu University, 大学院・総合理工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ダイヤモンド / 電子デバイス / プラズマ / CVD / 半導体 / ナノ粒子 / ドーピング / 薄膜 |
Research Abstract |
本研究の目的はn型ナノダイヤモンド薄膜を用いたハイパワー、低消費電力、高温動作ダイオードの作製および評価である。得られた成果を以下にまとめる。 プラズマ中の準安定アルゴン原子とアセチレン等の炭化水素分子間の反応制御を行い、ナノダイヤモンド前駆体「C_2ラジカル」の生成促進を図った。その結果、ラマン散乱スペクトルにおいて、明瞭なダイヤモンドピークを示すナノダイヤモンド薄膜が得られた。したがって本成膜手法により、ナノ粒子の高密度・集積化を行うことが可能であることが分かった。また石英基板上に上記手法に基づいて窒素ドープ膜を作製し、ホール効果測定によってキャリア特性を評価した。その結果、膜中のナノ粒子の割合の増加とともに、電子移動度は増加することが分かった。 膜の高温特性評価のために、電極材料の選定を行い、チタン、金などを用いた場合に安定したオーミック接合が得られることが分かった。電子輸送機構を解明するために、伝導率の測定温度依存性を解析した。その結果、成膜温度の増加とともに半導体から半金属に伝導特性が変化し、アモルファスsp^2炭素に起因する中間準位間の重なりの増加と、それによる連続的なバンド構造への遷移が観察された。p型シリコン/n型ナノダイヤモンド薄膜からなるダイオードを作製し、整流特性の評価を行った。その結果最大10^3の整流比が室温において得られた。しかし上記の半金属伝導性薄膜では整流特性がほとんど見られなかった。
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Research Products
(5 results)