2007 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス性疾患モデル動物での部位選択的高感度分子イメージング法の構築
Project/Area Number |
07J10976
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木下 祐一 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ニトロキシルラジカル / レドックス / ESR / OMRI / フリーラジカル / 造影剤 |
Research Abstract |
酸化ストレス性疾患モデル動物での高感度分子イメージング法の構築のため、本年度は新規ニトロキシルラジカル合成法の開発を目的とした。ここで、ニトロキシルラジカルは種々の還元物質や酸化物質と反応することが知られているが、この反応性を大きく変えるために、TEMPO系ニトロキシルラジカルの2,6位の構造を容易に置換できる合成法の開発に成功した。本手法は、2,2,4,4,6-ペンタメチル-2,3,4,5-テトラヒドロピリミジンや2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリドンを出発原料とし、塩化アンモニウムとケトン化合物、DMSOを60℃で反応させることで、高収率にTEMPO系ニトロキシルラジカルの2,6位へ、種々のケトン化合物を導入できるものである。本手法により、非常に短い反応ステップで、かつ高収率にTEMPO系ニトロキシルラジカルの2,6位ジ置換、モノ置換化合物の合成が可能となった。本手法を用いて新規に合成したニトロキシルラジカルは、従来のニトロキシルラジカルと比較して、置換基によってアスコルビン酸に対する様々な反応性を有することがわかった。例えば、2,6位にテトラエチル構造を導入すると、還元に対して非常に安定となり、ピラン構造を導入すると逆に容易に還元を受けることがわかった。ニトロキシルラジカルの生体内での還元速度は細胞内アスコルビン酸濃度と密接に関与していることからも、これら新規合成ニトロキシルラジカルは高感度プローブの骨格として非常に有用である。さらに、2,6位の置換基によって、組織移行性の指標である油水分配係数においても、大きな変化がみられ、容易に組織移行性を制御できることを示した。これら新規ニトロキシルラジカルを応用することで、複雑な生体内レドックス反応を詳細に解析することが可能となると考えられる。
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Research Products
(3 results)