2009 Fiscal Year Annual Research Report
パルスレーザー堆積法による高品質・高機能薄膜の作製とその応用
Project/Area Number |
07J10988
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坂野 竜則 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 酸化亜鉛 / パルスレーザ堆積法 / アニーリング / ドーピング |
Research Abstract |
ZnOは高い励起子結合エネルギーを持ち、製造過程がGaNよりも単純でZnの埋蔵量がGaよりも多いために、高効率な発光とLEDの低コスト化が期待できる。しかし、ZnOはII-VI族酸化物半導体であるため、良質なp型薄膜が作製困難である。近年では、p型ドーパントとして原子半径が大きなV族元素を用いる研究が盛んになり、その中でも有望なSbを用いた研究には未開発な部分が多い。そこで、p型ZnO薄膜の成長条件について検証し、SbドーピングZnO薄膜のp型化を試みた。 ドーピング量を1at.%、酸素雰囲気圧を10mTorrに固定し、成長温度を200℃、400℃、600℃、800℃にしてSbドーピングZnO薄膜を作製した。その結果、600℃で作製した薄膜がアニーリング後にp型伝導性を示した。この薄膜のキャリア密度、移動度はそれぞれ1.42×10^<17>cm^<-3>、6.76cm^2/V・sとなった。800℃で作製した薄膜はキャリア密度が1.32×10^<17>cm^<-3>から3.08×10^<15>cm^<-3>へと減少したが、n型のままであった。これは、800℃の高温成長ではZn_7Sb_2O_<12>が形成されることがXRDから分かり、Sbがホールを形成しないためだと考えられる。400℃以下で作製した薄膜は高抵抗化した。これは、400℃以下の成長ではZnO薄膜に取り込まれるSbの量が減少し、ZnOの残留キャリアを全て補償するには不十分であることが確認できた。
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Research Products
(4 results)