2007 Fiscal Year Annual Research Report
パルスレーザー堆積法による高品質・高機能薄膜の作製とその応用
Project/Area Number |
07J10988
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坂野 竜則 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 酸化亜鉛 / パルスレーザー堆積法 / アニーリング / ナノ構造 / 表面増強ラマン散乱 |
Research Abstract |
あらゆる酸化物の中で、Zn0ほと多種多様の用途を持っている物質はなく、近年になり青色LEDやセンサーなどの用途が期待されている材料である。本研究はPLD法を利用して、発光デバイス応用可能な高品質Zn0の作製を行っている。またナノ構造体にも注目し、様々な機能を組み合わせたデバイス作製を目指している。デバイス応用に向けたZn0を作製するには結晶成長技術を完成さた、pn制御を可能にする必要がある。As-grown成長条件はアルゴン10mTorr下、成長温度350度であり、これを更に700度でポストアニーリングを行うことで膜表面形状が大きく改善する事が分かった。これは3次元方向に成長を始めると酸素欠陥が薄膜中に存在してしまうこと、またステップ構造のような2次元方向の成長は結晶性が良くなり欠陥も少なくなるということを示している。またZn0を様々な形態にして特性を引き出すナノ構造体の大きな長所として、表面積が大きくなることや高アスペクト比が挙げられる。アプリケーション作製にあたって、まずナノロッドの成長制御や再現性の問題を改善する必要がある。本研究では従来のPLD法にoff-axis法によるナノロッドのサイズ制御法と金属catalyst-freeプロセス(seed層利用)によるナノロッドの位置制御法を組み合わせる事でロッドの構造制御を可能にした。実際にSi基板上にZn0ナノロッドを成長させ、またアプリケーションとしてSERS特性について調査を行った。具体的には、ナノロッドにSERS活性を持たせるため金をコーティングし、さらにRhodamine6Gを修飾させることでSERS活性試料を作製した。この金コートZn0ナノロッドにより濃度1マイクロMという非常に低濃度なR6Gを明瞭に検出できることが分かった。
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Research Products
(5 results)