2008 Fiscal Year Annual Research Report
パルスレーザー堆積法による高品質・高機能薄膜の作製とその応用
Project/Area Number |
07J10988
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
坂野 竜則 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 酸化亜鉛 / パルスレーザ堆積法 / ナノ構造体 |
Research Abstract |
ZnO(酸化亜鉛)はGaN(窒化ガリウム)に代わる新たな青色LEDやLDの材料として注目されている。しかし現状としてはZnOからの発光は非常に弱い。2007年S.H.Parkらによってナノ構造層を利用することで光の取り出し効率が上昇することが報告されているが、ナノ構造体の成長制御は非常に困難である。よって平成20年度はデバイス構造作製に不可欠な2D(高品質薄膜成長),3D(ナノ構造成長)の構造制御を行った。2D成長として平成19年度の研究によってGaN/Sapphire基板上に圧力P(Ar)=10^<-2>Torr、成長温度T_g=350℃で成長させた緩衝層が、epi-ZnO層の結晶性に大きく関わる事を示した。3D成長として従来のPLD法にoff-axis法によるナノロッドのサイズ制御法とcatalyst-freeプロセス(seed層利用)によるナノロッドの位置制御法を組み合わせる事でロッドの構造制御を可能にした。実際にSi基板上に成長させたZnOナノロッドを成長させることに成功し、ロッドの直径はoff距離で50〜700nmまでの制御可能であることを示した。またロッド成長の場所制御にはSeed Layerの位置を制御することでロッドの位置を制御できることも示している。成長方向は基板とナノ構造のepitaxial relationshipに注目することで垂直、ランダムを制御できることを示した。また2008年10月16日から2009年2月24日までの約4ヶ月間Harvard University(USA)、Eric Mazur教授の元で共同研究を行った。ハーバード大学Mazur groupでは、シリコン基板に対してフェムト秒レーザによるトップダウン加工を行い、ユニークな構造を基板表面上に作製することで光の反射率をほぼゼロとする「ブラックシリコン」の技術を確立し、世界中から注目を集めている。今回の滞在では将来、様々なデバイス応用が期待されているZnOの加工およびドーピングに関する研究を行った。
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Research Products
(5 results)