2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J10992
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長沼 辰弥 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フリーラジカル / オーバーハウザー効果 / 生体レドックス |
Research Abstract |
本年度は、生体のフリーラジカル画像解析に有用であるOMRI装置の画像解像度改善の基礎的検討を行うことを目的とした。OMRI装置は現在市販されていないため、この検討を行うべく装置の自作を行った。市販されている部品を組み合わせOMRI装置の自作を行い、OMRI装置の自作が十分可能である事を示した。自作したOMRI装置は、CW-ESR用の鉄心マグネットを主磁場とし、20mT程度の磁界を発生させて使用した。画像化に用いるNMR送受信周波数は、磁場強度に合わせ850KHzとし、水信号を用いて動作を確認した。 オーバーハウザー効果の誘起に用いる高周波照射は、表面型コイルの場合試料挿入ごとにコイルの固定・調整が必要でありまた、均一な励起が難しいことから、サドル型のボリュームコイルを開発した。ボリュームコイルは、565MHzにて共振し、そのB1生成効率は1.21uT/√wであった。また、本装置の撮像条件を最適化し、空間分解能の評価を行った。フリーラジカルを封入したマウスサイズの疑似試料を作製し、スピンエコー法を用いたOMRIシークエンスによりOMRI画像の取得に成功した。作製した疑似試料は、厚さ0.3mmのガラス管を使用しており、それを明瞭に区別できた事から、本装置は0.3mmの空間分解能を持つ事を確認した。 またOMRI高感度化の一手法として、多重励起の検討を行った。通常の表面型コイルは単一の共振周波数しか持たないため、二重励起用に新たに二つの共振周波数を持つ表面型コイルを開発した。二つの発信器とRF電力合成器、RF電力増幅器を用いて共振器に給電した。単独励起による信号増強と比較し、二重励起の場合、供給電力に対して増強の飽和が早く、効率が改善されることが示された。この結果はOMRI撮像に要するRF電力を低減できることを示しており、OMRI装置の実用化へ向けて大きく前進した。
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Research Products
(1 results)