2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J10992
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長沼 辰弥 Kyushu University, 大学院・薬学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MRI / オーバーハウザー効果 / フリーラジカル |
Research Abstract |
本年度は、前年度開発したMRIシークエンスを元に、新たにESR励起用の磁気回路を付加し新たにOMRI装置として開発を行った。開発した装置は、複数のESR励起用磁気回路と、1つのMRI検出用磁気回路で構成されている。この2磁気回路間を秒速1メートルで搬送可能な試料搬送装置で接続し一つのOMRI装置として動作するよう設計した。OMRI撮像を行うために、新たな64MHzと600MHzの共振周波数を持つ二重共振器を磁気回路の空隙に合わせ開発した。多重共振器の報告例は多いが、この新しいOMRIシークエンス用のものとしては世界初である。また撮像時に見られていた画質の低下を改善するため、新たに時間分解能を高めた組込用ソフトウェアを開発、パルスシークエンスに改良とともに行った。装置評価のためフリーラジカルとして、3-Carbamoyl-PROXYLを使用した疑似試料を作成しOMRI撮像を行い0.15mmの空間分解能を持つことが確認され、従来型OMRI装置と比べ高い空間分解能を持つことが示された。 同装置上で動物の測定を実際に行い、動物撮像が可能であることも示した。撮像を行った結果、従来の低磁場OMRI装置では、ESR励起時しか画像が得られないのに対し、本研究で開発したOMRI装置ではESR励起を行っていない状態においても形態的な画像を得ることができた。この点は、単純なOMRI画像の高解像度のみならず得られたフリーラジカル位置情報を解析する上において非常に有用と考えられる。 本研究で、世界で初めてITの磁場強度を超えるOMRI装置の開発に成功した。また鮮明なOMRI画像を得ることができ、その空間分解能は0.15mmに達した。今後、シークエンスの改良により生体内の活性酸素生成のみならず、酸素濃度等の評価も可能な世界唯一の装置として完成する予定である。
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Research Products
(4 results)