2008 Fiscal Year Annual Research Report
中国雲南イネ品種が有する穂ばらみ期耐冷性の解析〜強度耐冷性遺伝子の単離〜
Project/Area Number |
07J11012
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
汐海 沙知子 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | イネ / 低温ストレス / QTL解析 |
Research Abstract |
中国雲南イネ品種「麗江新団黒谷」に由来する強度穂ばらみ期耐冷性遺伝子の単離を目指し、「ひとめぼれ」との交配後代を用いた解析から、第3染色体長腕にQTLを検出している。 このQTL候補領域の絞込みを行うため、候補領域内の組換え系統を12タイプ選抜しており、これらの系統の耐冷性を評価した。耐冷性検定は東北農業研究センター(秋田県大仙市)の冷水田(水温18.5度、水深20cm)で六月末から九月上旬までの約2ヶ月間冷水処理をし、全籾数に対する稔実籾数の数を稔実率として評価した。耐冷性検定の結果、「ひとめぼれ」と比べて稔実率が有意に高い系統が複数得られ、候補領域を約1.2Mbの領域に絞り込むことができた。今後、これらの系統の再評価を行うとともに、さらに内部で組換えが起こっている系統を選抜し、耐冷性の評価とあわせて候補領域の絞込みを行う。 QTL解析を行う際や組換え系統をマーカー選抜により選定するとき、遺伝子型を判定するためには各個体からDNAを抽出し、PCRを行う場合が多い。大規模な集団になればなるほど、DNA抽出には多大な労力がかかる。この点を改良し、今後のQTL解析や組換え系統の選抜を効率的に行うため、DNA抽出を省略し、葉そのものを直接PCRのテンプレートにする、リーフパンチ法を開発した。直径1mm程度のミニコルクボーラーを用いて葉を切り取り、これを用いてPCRを行うと、300bp以下の短い断片で100%近い増幅効率を得ることができた。
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