2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアソームの再構成法の確立と作動機構の構造的基盤の解明
Project/Area Number |
07J11032
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
坂田 絵理 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都臨床医学総合研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 26Sプロテアソーム / Cryo電子顕微鏡 / 単粒子解析 / エレクトロンイオンスプレー型質量分析 / タンパク質相互作用ネットワーク |
Research Abstract |
本年度は、26Sプロテアソームの単離・精製法を確立しデータ解析を行った。約5000の電子顕微鏡像から30万個の26Sプロテアソーム分子像が得られた。これらのプロテアソーム像を分類し、平均化することにより平均構造が得られた。今年度は更なるデータ解析を進め高解像度の三次元構造を取得する。また、19Sプロテアソームについても単離・精製法を確立し、単粒子解析による平均構造が得られた。19S複合体中での各サブユニットの局在を明らかにするため金属配位タンパク質であるメタロチオネインを融合させたタンパク質発現系を構築した。メタロチオネインは60残基の小さなタンパク質であるが、20個もの金イオンを配位することが知られており、電子顕微鏡像でコントラストを与える。金イオンを配位したメタロチオネイン融合Rpn10サブユニットは50kDaのタンパク質ながら、電子顕微鏡像で強いコントラストを与えた。今後は、Rpn10のみならず、Rpn13、Dsk2、Rad23、Ubp6などユビキチン鎖認識にかかわるサブユニットとともにプロテアソーム上でのマッピングを行いこれらサブユニットの局在を決定する。19S複合体のサブユニット相互作用を明らかにするために、エレクトロスプレーイオン化型の質量分析計を用いて非共有結合により形成された19S複合体中にみられるサブコンプレックスの解析を行った。これまでの解析により、Nas6を中心とした19S複合体中の複数のサブコンプレックスが明らかとなった。Nas6は19S複合体の会合を助ける分子シャペロンのひとつとして知られており、Rpt5およびRpt3サブユニットとサブコンプレックスを形成していることが示された。さらにRpn9およびRpn11サブユニットの相互作用も観測された。今後は、さらなる解析を進めることにより複合体中の相互作用ネットワークを明らかにしていく。
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Research Products
(1 results)