2008 Fiscal Year Annual Research Report
液胞・リソソーム系におけるポリリン酸の代謝機能の解析
Project/Area Number |
07J11044
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
八木沢 芙美 Rikkyo University, 理学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | リソソーム / 液胞 / ポリリン酸 / Cyanidioschizon |
Research Abstract |
液胞(リソソーム)は、細胞内のタンパク質分解、代謝産物の貯蔵や分泌、イオンやpH調節など重要な役割を担っている。これらのオルガネラには、リン酸の直鎖状ポリマー(ポリリン酸)が蓄積している場合が多い。この現象は特に下等な真核細胞では顕著である。ポリリン酸は、リン酸の貯蔵や供給、イオンやpH調節などへの関与が示唆されている。これらの機能は液胞・リソソームの機能と直結しており、また、バクテリアにおいてはポリリン酸を蓄積した液胞に類似したオルガネラが発見されている。以上より進化の初期の液胞は、ポリリン酸蓄積型であったと予測される。一方、液胞・リソソームにおける普遍的なポリリン酸の代謝機構は未解明である。本研究ではこの機構を明らかにし、液胞・リソソームの進化や機能機構に迫りたいと考えている。これまでの研究では、原始的な真核生物とされるCyanidioschyzon merolaeを用い、ポリリン酸を蓄積した液胞(リソソーム)を同定し、それらを密度勾配遠心により単離した。今年度は、単離液胞の純度をゴルジ体などのマーカー抗体を作製して検証した。その結果、単離画分にはER以外のコンタミネーションがないことが示唆された。また、単離画分のタンパク質をMALDI-TOF MSにより解析し、13種の液胞・リソソームへの局在が知られているタンパク質と23種の知られていないタンパク質を同定した。前者のうち、リン酸の代謝に関わると予測される3種は遺伝子破壊株を作成中である。一方、後者のうち4種の局在をHA-tag融合タンパク質などにより解析し、液胞への局在を確認した。以上より、単離画分は新奇液胞タンパク質の同定に適していると考えられ、ポリリン酸代謝に関わるタンパク質をさらに探索するために、nano-LCを用いた網羅的プロテオーム解析に着手した。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Periodic gene expression patterns during the highly synchronized cell nucleus and organelle division cycles in the unicellular red alga Cyanidioschyzon merolae2009
Author(s)
Fujiwara T, Misumi O, Tashiro K, Yoshida Y, Nishida K, Yagisawa F, Imamura S, Yoshida M, Mori T, Tanaka K, Kuroiwa H, Kuroiwa T.
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Journal Title
DNA Research 16
Pages: 59-72
Peer Reviewed
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