2009 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインとその受容体を介した口腔粘膜細胞と免疫細胞とのクロストーク
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07J11047
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大木 亜紀子 (小澤 亜紀子) Tohoku University, 大学院・歯学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 歯肉線維芽細胞 / NK細胞 |
Research Abstract |
前年度ではヒト歯肉線維芽細胞(HGF)は細胞膜上にIL-75を発現し、CD34^+細胞はHGFとの共培養によりCD56性のNK細胞へと分化することが示唆されたことを報告した。今年度はこの共培養後に得られたCD56陽性細胞のNK活性の測定を行ったところ、分離直後のCD34^+細胞と比べ共培養後にはNK活性の亢進がみられた。またNK細胞の分化にはIL-15の関与が必要と言われておりこれに関しNGFの膜結合型IL-15の関わりについて中和抗体を用い抑制実験を行ったが、明らかな抑制効果は見られなかった。一方、MICA/BはNK活性化レセプターの一つであるNKG2Dにより認識され、正常細胞においてはほとんど発現が認められないが、様々な刺激により発現が誘導されるストレス応答性の糖タンパクである。現在歯周組織でのMICA/Bの発現報告はないことから歯周組織構成細胞のMICA/Bの発現についても検討を行った。HGFおよび口腔上皮細胞株(HSC-2)を用い、細胞膜上のMICA/Bの発現、また、IFN-γ,LPS,TNF-α,IL-1αで24h及び48h刺激後の発現の変化を調べたところ、HSC-2と一部のHGFでは細胞膜上に恒常的にMICA/Bを発現しているが、刺激による変化は見られなかった。次に、HGFとPBMCとの共培養によるNK活性の変化について検討を行った。MICA/Bを発現しているHGFとPBMCとを6日間共培養を行ったところ、共培養後のPBMCのNK活性は単独培養に比べ低下することが確認された。以上のことから、1)CD34^+細胞はHGFとの共培養によりNK活性が増強する傾向があること2)HSC-2や一部のHGFでは恒常的にMICA/Bを発現しているが、LP5や炎症性サイトカインによる影響は見られないこと3)PBMCとHGFとの共培養によりNK活性が低下することが示唆された。
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Research Products
(3 results)