2010 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインとその受容体を介した口腔粘膜細胞と免疫細胞とのクロストーク
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07J11047
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大木 亜紀子 (小澤 亜紀子) 東北大学, 大学院・歯学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 歯肉繊維芽細胞 / サイトカイン / NK細胞 |
Research Abstract |
前年度の研究によりヒト末梢血中のCD34+NK progenitor細胞は歯肉繊維芽細胞(HGF)との共培養によりtarget細胞をK562としたNK活性が亢進する傾向があること、口腔上皮細胞株(HSC-2)や一部のHGFでは恒常的に細胞膜上にMICA/Bを発現しているが、これらの細胞ではLPSや炎症性サイトカインによるMICA/Bの発現に影響は見られなかったこと、HGFとリンパ球画分(PBMC)との共培養ではPBMC単独培養に比べNK活性が低下することを報告した。 これらの結果を受け今年度では、PBMCとHGFとの共培養によるNK活性の低下はNK細胞による直接的な作用か、あるいは他の細胞による間接的な作用によるものであるか、また間接的な作用であるとすればPBMC中のどの細胞集団がこのNK活性低下に関与しているのか検討を行うことを目的として実験を行った。その結果1)HGFは無刺激の状態でNKG2DリガンドのうちMICA/Bを細胞膜上に発現しているが、ULBP-1は発現しておらず刺激後も誘導されないこと2)PBMC, PBL, non CD8^+細胞,non CD3^+細胞はHGFとの共培養によりcytotoxicityが抑制され,また培養後のNKG2Dの発現は、共培養後のほうが単独培養に比べ抑制される傾向がみられること3)CD8^+細胞,CD3^+細胞は単独培養、HGFとの共培養ともに6日間培養後にはcytotoxicityはほとんどみられず、NKG2Dの発現は培養前と比較して単独培養でより強く抑制されること4)NK cellsは単独培養、HGFとの共培養ともに1日後、3日後ではcytotoxicityは差が見られないが、6日後では共培養ではcytotoxicityが高いまま維持されているのに対し、単独培養では低下すること5)PBMCとHGFとの共培養によるcytotoxicityの抑制はNK細胞による直接的な作用ではなく、マクロファージ(CD14^+細胞)による間接的な作用によるものであることが示唆された。
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Research Products
(1 results)